小鉢公史展 (彫刻)

3月26日(月)-4月7日(土)
11:00-19:00 日曜休廊 (最終日1階のみ17:00まで)

小鉢公史展小鉢公史展
小鉢公史(こばち・ただふみ)の作品は高さ2mを超える大作もまれではない。いずれも一本の楠から彫りだされ、小鉢は木の形にそって、そこから生命を紡ぎだす。
彫り出された彫像はアクロバティックなバランスを保ち、異形とさえいえる。だが、瑪瑙棒で磨き上げられて大理石を思わせる滑らかな肌合い、一木から彫られたとは思えぬ繊細な表現は、独特な顔の表現と相まって、異形を古典的とさえいえる激しくも静かな美に昇華させている。
昨年8月の台北アートフェアに、小鉢の大小2作品の初めての海外出品を試みた。この異形の美がどう捉えられるだろうか?結果は驚くほどの関心の高さであった。写真をとる人が多いのは常のことだが、台北のフェイス・ブックに「フェアの中で一番興味があった作品」として紹介され、2点とも販売に成功した。
小鉢を「遅れてきた大型新人」とよぶ声もある。たしかにここに至るまで少々の時間を経た。かつてとらわれていた“死”へのトラウマから遅ればせながら解放されて“生”の表現にたどりついたのは、新しい生命の誕生により父親になった頃からであったろうか。
小鉢は自分の作品には「生・性・聖」が潜んでいる、という。樹木から生まれた彫像は、大人のエロスを漂わせ、聖性にまで至ろうと佇んでいるようだ。

(彫刻作品大小約6点を展示予定です、是非ご高覧下さい。
初日、午後5時よりオープニング・パーティーを開きます。どうぞお越し下さい。)

小鉢公史展
〈七つの心音〉 2011年 楠、ボローニャ石膏、石、金箔、銀箔 1900×650×650mm

 

小鉢公史 略歴
1961年 長崎県島原市生まれ
1985年 多摩美術大学美術学部彫刻科 卒業
1987年 多摩美術大学大学院美術研究科 修了
1989-93年 フィレンツェに滞在し、制作する

[個展]
1986年 小野画廊 東京
1987年 ギャラリー射手座 京都
1995年 もみの木画廊 東京
2002年 ぎゃらりいセンターポイント 東京
2003年 コバヤシ画廊 東京
2006年 ギャラリー山口  東京 ('08 '09)

[グループ展]
1985年 パレルゴン 東京(‘86)/ART SPACE KEIHO 「UPSTAIRS」 ('86 スペース21) 東京
1986年 「万象の変様」展 埼玉県立美術館/「表現の現場」展 多摩美術大学大学院上野毛校舎 東京
1987年 「有視界飛行」 世田谷美術館 東京/「Meraporphotion」展 神奈川県民ホール 横浜
1991年 モンテカティー二美術館 イタリア
1995年 ながさき水の波紋’95 被爆50周年祈年アートフェスティバル 長崎
1997年 「渡邊かおり・小鉢公史二人展」 ガレリアグラフィカbis 東京
2009年 「木彫ってなに?」 新宿高島屋美術画廊 東京
東京コンテンポラリーアートフェア2009 (TCAF 2009) 東京美術倶楽部 東京 (ギャラリー山口)
2011年 Art Taipei 2011 台湾 (ガレリア・グラフィカ)

[その他モニュメント]
1995年 雲仙普賢岳災害復旧祈念塔 島原
1997年 雲仙普賢岳災害派遣隊顕彰碑 島原