無 題(「存在の方法」 ギー・ロージー文)/Untitled (from “Les Moyens d’Existence”, text by Guy Rosey)
カラー・エッチング、1968年原案、1969年出版、紙サイズ278×229mm、イメージ・サイズ160×109mm、Kaplan & Baum 20-B or C、150部づつ3パターン合計限定450部の内の和紙刷り(H.C.も25部づつ75部あり)、出版はAtelier Georges Visat (Paris)、画面下に番号と作家署名のファクシミリによるスタンプ・サインあり、オリジナル・フォリオ共。
版画作品の数は極端に少なく、20点のみ。理由はマグリットがほとんどの時をブリュッセルでの作品制作で過ごし、パリの良い版画工房から遠かったから。62歳になるまで版画という手法にたどりつかなかったという。しかも自らの手で版にしたのは5点のみで、他は工房の職人とのコラボによるもの。その上、当作品を含む8点は作家の急死により、未亡人の許可のもと、版画下絵に忠実に制作された。
悪魔の微笑「地球の裏側の夜明け」より/La Sourire du Diable from the series Aube à l'Anipode
エッチング、1966年、180×130mm、Kaplan and Baum 7-A、限定17部、鉛筆で署名・番号あり。刷りはパリのAtelier Rigal、出版はEditions du Soleil Noir。
アラン・ジュフロワの詩につけてマグリットは7点のペンとインクのデッサンを描いた。それをもとに(1)普及版・複製挿画のついた詩画集「地球の裏側の夜明け」(Aube a l’Antipode)、(2)Version Iは7点入りのデラックス版で17部、(3)Version II は2点入りの60部の3種類が出版された(それぞれにコレクター・コピーがA-Oで15部、e.a.が数部あり)。当版画は(2)のプレートIIで17部のみと僅少。マグリットが自筆で署名した版画は12点しかなく、大変貴重な作品である。
二つのミステリー:ここにあるのはパイプではない/Les Deux Mystéres (Ceci n’est pas une Pipe)
エッチング、1966年、180×130mm、Kaplan and Baum 12-C、限定77部、鉛筆で署名・番号あり。
「悪魔の微笑」同様に、7点のシリーズ「地球の反対側の夜明け」(Aube à l’Antipode)のプレートVII。シリーズはいずれもこの版画制作のためにマグリットが描いたオリジナルのペンとインクのドゥローイングからおこされたもので、刷りはパリのAtelier Rigal、出版はEditions du Soleil Noir。